口角ボトックスとは
口角ボトックスとは、口角周辺の筋肉にボツリヌストキシンを注入する施術のことです。ボトックスには筋肉の動きを一時的に抑制する作用があり、注入することで口角の下がりを改善したり、口元の表情を柔らかく見せる効果が期待できます。加齢や生まれつきの骨格、表情筋の特徴などによって、口角が下がり気味になることがあります。このような口元の印象が気になる人にとって、口角ボトックスは魅力的な施術選択肢の一つです。しかし、注射量や注射箇所を誤ると失敗してしまう可能性もあり、医師の技術が大きく左右するのが口角ボトックスの特徴でもあります。
口角ボトックスで上がらない失敗例4選!
口角ボトックスは、適切に施術されれば自然な笑顔を保ちつつ口元の印象を明るく変えることができる魅力的な施術です。しかし、注射量や注射箇所を誤ると、思わぬトラブルに見舞われる可能性もあります。ここでは、口角ボトックスの代表的な失敗例を4つ紹介します。
口角ボトックスの失敗例①:笑顔をつくりづらくなる

口角ボトックスの失敗で最も多いのが、ボツリヌストキシンを注入しすぎたことによる表情の不自然さです。必要以上に口角の下制筋が麻痺してしまうと、笑顔を作ろうとしたときに、不自然な表情になってしまうことがあります。自然な表情ができなくなってしまうと、日常生活にも支障をきたしかねません。
口角ボトックスで最も気をつけなければならないのが、笑顔の動きを司る筋肉まで麻痺してしまうことです。笑顔をつくる際に口角を動かす笑筋(しょうきん)など、口周辺の筋肉が適度に動く必要があります。しかし、ボトックスの注射量が過剰だったり、注射箇所を誤ると、笑顔をつくる際の口元の動きが制限されてしまいます。その結果、自然な笑顔を作れずに、不自然な表情になってしまいます。自然な表情ができなくなってしまうと、日常生活にも支障をきたしかねません。
また医師の技術によっては、狙った注射箇所からボトックスが広がりすぎ、予期せぬ筋肉まで影響を及ぼしてしまうことも考えられます。笑顔が作りづらくなるリスクを最小限に抑えるためには、医師の豊富な経験と確かな技術力が不可欠です。
口角ボトックスの失敗例④:左右差が出る

口角ボトックスでは、左右の口角へのボトックス注入量のバランスが非常に重要です。どちらかの口角へ過剰に注入されたり、注射箇所にずれが生じたりすると、左右で口角の上がり具合に差が出てしまいます。その結果、笑った時の口元の形が歪んで見え、不自然な印象を与えかねません。
左右差が生じる原因としては、医師の技術の他に、患者自身の顔の特徴も関係してきます。生まれつきの骨格や筋肉の左右差が大きい場合、同じ量のボトックスを注入しても効き方に差が出るのです。
この失敗を回避するには、施術前のカウンセリングが重要になります。顔の特徴を見極めた上で、左右でボトックス注入量や注射箇所を微調整する必要があります。少しずつ注入量を変えたり、注射位置をずらしたりして、自然な左右のバランスを作り出さなければなりません。こうした調整には、医師の経験と技術が欠かせません。
口角ボトックスでの後悔を回避するための3つのポイント
口角ボトックスには、上記のような失敗例が付き物です。しかし、適切に施術されれば、自然な笑顔を保ちながら口元の印象を明るく変えられる、魅力的な施術だと言えます。後悔のない理想的な仕上がりを手に入れるためのポイントを、3つ挙げてみましょう。
質の良いボトックスを使っているクリニックを選ぶ

ボツリヌストキシン製剤には、様々な種類があります。クリニックによって、使用している製剤が異なるため、事前に確認することが大切です。厚生労働省の承認を得ている製剤を選ぶ、あるいは、純度が高く効果が安定している製剤を使用しているクリニックを選ぶと良いでしょう。高品質なボトックスを使えば、効果の持続期間が長くなり、安全性も高くなります。製品そのものの品質が、安全面だけでなく施術の満足度にも影響を及ぼします。
一方で質の悪いボトックス製剤を使っていると、効果が短命に終わったり、思わぬ副作用が出たりするリスクがあります。安全で確実な効果を求めるなら、高品質なボトックスを使用しているクリニックを選ぶことが不可欠です。
技術力のある信頼ある医師を選ぶ

最も重要なのは、高い技術力と経験を備えた医師を選ぶことです。口角ボトックスは、注射量と注射箇所をミリ単位で調整する繊細な施術です。医師の熟練の技術次第で、仕上がりが大きく変わってきます。
経験豊富な医師であれば、施術前のカウンセリングで患者一人ひとりの顔の特徴を見極め、最適な注射量と注射箇所を的確に判断できます。また技術の高さから、左右差のない自然な仕上がりを実現することも可能です。
一方で経験の浅い医師だと、カウンセリングや施術での判断を誤る可能性が高くなります。結果として、思わぬトラブルや失敗に見舞われてしまうリスクが上がるのです。
口コミや実際に施術を受けた方の経験談を参考にし、信頼できる医師を選ぶことが大切です。また、事前のカウンセリングで医師との相性を確認し、安心して施術を任せられるかどうかを判断することも一つの手です。
口角ボトックスが最適な施術なのか相談してみる

口角ボトックスは非常に効果的な施術ですが、それが本当に自分にとって最適かどうかは別問題です。他にも多くの施術が存在し、それぞれの目的に応じた選択をすることが肝心です。
施術を受ける前に、口角ボトックスが本当に自分に適した施術なのかをしっかりと相談することも大切です。口角の下がりには、年齢によるものだけでなく、生まれつきの骨格や筋肉の特徴が影響する場合もあります。
そういった要因が強い場合、ボトックスで期待した効果が得られない可能性があります。むしろ手術による根本的な改善を検討するほうがよいかもしれません。
信頼できる医師であれば、カウンセリングでそうした事情を丁寧にヒアリングし、口角ボトックスが適切な選択肢かどうかを的確に見極めてくれます。施術前に専門家に相談し、本当に自分に合った治療方法を選ぶことが大切なのです。
口角ボトックスのメリット

上記のように、注射量や注射箇所を誤ると失敗のリスクもある一方で、口角ボトックスには魅力的なメリットも多くあります。ここではそのメリットについて、詳しく解説してみましょう。
- ナチュラルな仕上がりで周囲にバレにくい
- ダウンタイムが短い
- 施術時間が短い
ナチュラルな仕上がりで周囲にバレにくい
口角ボトックスの最大の魅力は、ナチュラルで自然な仕上がりが期待できる点です。注射によっていきなり口元の印象が変わるわけではなく、あくまでも程よい範囲内での変化に留まります。周囲から「何か変わった?」と気づかれにくいのも大きな利点です。 また、施術後1〜2週間でボトックスによる効果が現れ始めるため、徐々に口角が上がっていくナチュラルなプロセスを得ていきます。突然の大きな変化がないため、年齢を重ねた自然な変化に見えるのです。ダウンタイムも不要なので、すぐに普段通りの生活に戻れるのも魅力的です。
ダウンタイムが短い
口角ボトックスは、注射後のダウンタイムが短いのが特徴です。施術後は、注射部位の腫れや内出血が生じることがありますが、数日で改善します。 ダウンタイムが短いということは、仕事や予定を大きく変更する必要がないということです。施術当日や翌日は、腫れや内出血が目立つこともありますが、メイクである程度カバーできます。 ダウンタイムの短さは、手術と比べると大きなメリットです。リフトアップ手術の場合、ダウンタイムは1〜2週間程度必要とされます。この間は、腫れや痛みが強く、外出を控えることが多いでしょう。仕事を休む必要があるかもしれません。 一方、口角ボトックスなら、施術後すぐに日常生活に戻ることができます。仕事を休む必要もなく、予定を変更する必要もありません。手軽に施術を受けられるのは、口角ボトックスの大きな魅力の一つです。
施術時間が短い
口角ボトックスの施術時間はわずか5分〜10分程度と、非常に短時間で終わります。忙しい方でも、気軽に施術を受けることができます。カウンセリングを含めても、1時間以内で終わることがほとんどです。 施術時間が短いということは、忙しい現代人にとって大きなメリットです。長時間の施術は、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。また、仕事や家事などの予定を調整する必要もあるでしょう。 口角ボトックスなら、短時間で施術が完了するため、気軽に受けられます。休日の空き時間を利用して施術を受けることもできるでしょう。 また、施術前後のカウンセリングも充実しているため、患者は医師に不安や疑問を伝えやすくなります。医師も患者の希望をしっかりと理解した上で、最適な施術プランを提案することができるでしょう。 以上のように、口角ボトックスは施術時間が短いことで、患者にとっても医師にとってもメリットがあるのです。
口角ボトックスの施術の流れと料金相場
口角ボトックスは、以下のような流れで行われます。
施術の流れ
実際の施術は、以下のようなステップで行われます。
- カウンセリング
施術の前に、患者一人ひとりの顔の特徴をしっかりと確認します。口角の下がりや、骨格、筋肉の状態などを見極め、ボトックス注入の量や箇所を決定していきます。 - 施術部位の消毒
施術部位の口角周辺を消毒し、細菌感染のリスクを最小限に抑えます。医療用の消毒液などが用いられます。 - ボトックスの注射
カウンセリングで決められた注射箇所と量に従い、ボトックスを注射していきます。1回の施術で、左右の口角に対して4〜8単位程度のボトックスが注入されることが一般的です。 - アフターケアの説明
施術後のアフターケアについて、医師から詳しい説明を受けます。ボトックスの効果が発現するまでの期間や、注意点について確認します。
口角ボトックスの注入量の目安と値段相場
口角ボトックスの注入量は、個人差がありますが、片側4〜8単位程度が一般的です。 ボトックスの注入量は、患者の筋肉の状態や希望する仕上がりによって異なります。筋肉が発達している人や、がっつりとした変化を求める人は、注入量が多くなる傾向にあります。 一方、筋肉量が少ない人や、ナチュラルな変化を求める人は、注入量が少なくなります。医師は、患者の状態をしっかりと診察した上で、最適な注入量を決定します。 口角ボトックスの施術の値段は、クリニックや注入量によって異なりますが、両側で2〜4万円程度が相場です。 口角ボトックスの料金は、クリニックによって差がありますが、安すぎる料金設定には注意が必要です。ボトックスの品質が悪かったり、医師の技術力が低かったりする可能性があります。 料金の安さだけでなく、クリニックの信頼性や医師の経験、使用するボトックスの質などを総合的に判断して、クリニック選びをすることが大切です。
口角ボトックスの効果が現れるタイミング

口角ボトックスの効果は個人差がありますが、通常、施術から1〜2週間以内に現れ始めます。最大の効果が現れるのは施術後2〜4週間です。効果の持続期間は、3〜6カ月前後と言われています。効果の持続期間は取り扱う製剤によって異なりますが、発現するタイミングは、個人差があるものの、おおよそ以下のような流れとなります。
- 1〜2週間後 : ボトックスの効果が徐々に現れ始める
- 2〜4週間後 : ボトックスの最大の効果が発揮される
- 3〜6カ月間:口角の上がった状態が保たれる
効果が徐々に薄れてくると、再度施術を受ける必要があります。定期的に口角ボトックスを受けることで、常に口元の明るい印象を維持することができます。 持続期間については個人差があり、新陳代謝の活発な人ほど効果が短くなる傾向にあります。また、使用するボトックス製剤の種類や注入量によっても、持続期間は変わってくるでしょう。 つまり、口角ボトックスの効果と持続期間は、患者一人ひとりの体質や施術内容によって異なります。理想的な効果を長く維持したい場合は、医師と相談しながら最適な施術計画を立てることが重要になります。
口角ボトックス(ボツリヌストキシン注射)がおすすめの人・受けられない人

口角ボトックスは、誰でも施術を受けれるものではありません。 下記では、口角ボトックスがおすすめな人・おすすめできない人について紹介します。
口角ボトックス(ボツリヌストキシン注射)がおすすめの人
- 口角が下がり気味な人
年齢によって口角が下がり、口元の印象が暗く見えるようになった人に口角ボトックスはおすすめです。ボトックスで口角を上げてることで、明るい印象に変えられます。 - マリオネットラインが気になる人
マリオネットラインが気になる人にも口角ボトックスが効果的です。口角が下がることで、マリオネットラインと呼ばれる口角から下垂する縦ジワが目立つようになる人もいます。口角ボトックスでは、マリオネットラインを直接改善することはできませんが、口角を上げることで目立ちにくくなる効果があります。 - 口元の印象を変えたいが手術はしたくない人
加齢による口角の下がりを改善したい場合、手術による根本的な改善も選択肢の一つです。しかし、低侵襲で手術を受けたくない人には、口角ボトックスがおすすめです。注射によりダウンタイムもほとんどなく、手術に比べてリスクが低い施術だと言えます。
口角ボトックスは、これらの悩みを持つ人におすすめの施術です。ボトックスの効果により、口角の下がりやマリオネットラインを改善し、口元の印象を変えることができます。
口角ボトックス(ボツリヌストキシン注射)を受けられない人
一方で、以下のような人は口角ボトックスを受けられない、もしくは受けるリスクが高くなります。
- ボトックスの成分に対してアレルギー反応がある人
ボトックスの有効成分であるボツリヌストキシン、または添加物の成分にアレルギー反応がある人は、口角ボトックスを受けることができません。施術前にアレルギー検査を行い、反応がないことを確認する必要があります。 - 神経筋疾患がある人
ボトックスは筋肉の動きを抑制する作用があるため、神経筋疾患のある人では副作用のリスクが高くなります。病状を悪化させる可能性もあるため、基本的に口角ボトックスは控えられます。医師に詳しく相談し、施術が可能かどうかを判断する必要があります。 - 妊娠中や授乳中人
ボトックスが胎児や乳児に及ぼす影響は未だ解明されていません。安全性が確認されていないため、妊娠中や授乳中の女性は口角ボトックスを受けるべきではありません。出産や育児が一段落した時期に検討するのが賢明でしょう。
このように、患者一人ひとりの体質や状況によって、口角ボトックスを受けられるかどうかは変わってきます。施術を検討する際は、必ず医師に相談し、自分に合った治療方法を選ぶことが重要不可欠です。
口角ボトックスのよくある質問

口角ボトックスについて、さらに詳しく知りたい方のために、よくある質問とその回答をいくつか紹介します。
Q.口角ボトックスで左右差が出てしまうことはある?
A.理想を言えば、施術後の左右の口角は均等に上がっているのが望ましいです。しかし、医師の技術やボトックスの注入具合によっては、左右で口角の上がり具合にばらつきが生じることもあります。
この左右差が生じる要因としては、以下のようなことが考えられます。
- 患者自身の顔の左右非対称(骨格や筋肉の状態に差がある)
- ボトックス注入時の左右の注入量の誤差
- 注射箇所に若干のずれが生じた
- 筋肉へのボトックスの広がり具合に左右差があった
こうした左右差は、単なる施術の失敗ではなく、患者自身の体質的要因によるものです。しかし、あまりにも左右差が大きい場合は、施術を行った医師の技術不足が原因と考えられます。
そのため、技術が高く経験豊富な医師に施術を受けることが、左右差のない自然な仕上がりを実現する上で重要なポイントになります。
Q.口角ボトックスの持続期間は?
A.口角ボトックスの効果の持続期間については、個人差が大きく、3ヶ月〜6ヶ月と幅があります。
持続期間が長くなる傾向にあるのは以下のような人です。
- 新陳代謝が遅い人
- 体の代謝が活発でない人
- ボトックスの注入量が多い人
逆に持続期間が短くなる傾向があるのは、以下のような人です。
- 新陳代謝が活発な人
- ボトックスの注入量が少ない人
- ボトックス製剤の差
このように、患者の体質や施術内容によって、効果の持続期間は変動します。定期的に施術を受けることで、常にボトックスの効果を維持することが可能です。
ただし、施術を重ねるほどボトックスの効果は弱くなる傾向にあります。長期にわたり施術を続けると、さらに注入量を増やすなどの対応が必要になることもあります。医師とよく相談しながら、適切なタイミングで施術を行うことが大切です。
まとめ
口角ボトックスは、ダウンタイムがほとんどなく、手軽に口元の印象を明るくできる魅力的な施術です。しかし一方で、注射量や注射箇所を誤ると思わぬトラブルに見舞われるリスクもあります。 安心して理想的な仕上がりを手に入れるためには、以下の3つのポイントが重要です。
- 高品質なボトックス製剤を使用しているクリニックを選ぶ
- 技術力と経験豊富な医師に施術を受ける
- 施術前に、ボトックスが自分に適した施術なのかを相談する
加齢による口角の下がりは、手術などの根本的な改善も検討できますが、低侵襲の口角ボトックスは確かに魅力的な選択肢です。しかし、施術を受ける前に、自分の顔の特徴やライフスタイルを踏まえ、本当に適切な施術なのかを専門家に相談することが重要不可欠なのです。 ボトックスには一定の効果期限がありますが、定期的な施術で常に理想的な口元の印象を維持することができます。医師と相談しながら計画を立て、自分らしい明るい表情を取り戻しましょう。 人生においてさまざまなシーンで笑顔は欠かせません。口角ボトックスなら、自然な笑顔を守りながら、いつまでも明るい印象を保つことが可能です。魅力的な施術選択肢の一つとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。